株は、毎日、証券取引所で売買されています。ですから、その日の政治
や、経済の動向などによって、値段が変化するのです。
単純に言ってしまうと、買いたいという人がたくさんいれば、株の値段
(以下、株価といいます)は上がり、売りたいという人がたくさんいれ
ば、株価は下がります。つまり、需要と供給で株価は決まっていると言
っていいでしょう。
これは、市場で売買されている、野菜や、魚と同じです。たとえば、あ
る村では、トマトが毎年1200トンとれて、村人全員が買うことができて
いました。ところが、ある年に大きな台風がやってきて、トマトハウス
を直撃してしまい、トマトハウスの2/3が潰れ、普段の1/3の400トンし
かトマトを収穫することができませんでした。トマトを欲しい人の数が
変わらないとすると、欲しいトマトの量に対して、採れたトマトが、圧
倒的に不足している状態になります。すると、値段が高くても買うとい
う人が現れますので、トマトの価格は上昇する訳です。
株も全く同じ原理です。A社の業績が良くて、配当をたくさんくれそう
となるとみんながA社の株を欲しがります。A社の株を持っている人は、
配当をたくさんくれるんならと、そんなに簡単には売ってくれません。
つまり、A社の株を買いたいという人が、売りたいという人を上回り、
株価のセリが行われるので、値段は上昇していくのです。これが、一番、
シンプルな株価が変動する仕組みです。
ですが、実際はそんなに単純ではありません。売りたい人と買いたい人
のバランスは、いろいろな要素で左右されます。
いくつか、影響の大きな物を挙げると、1.その会社の業績や評判、2.景
気の良し悪し、3.政治や政策の動向、4.金利や為替の変動、5.天候や天
災、人災などがあります。
いくら、業績の良い会社で、株価が順調に上昇していたとしても、大き
な地震や、テロが起これば、どんな会社の株も一斉に売られてしまった
りします。逆に、政治要因などで世の中がいい方向に向かいそうだとな
ると、どんな株も買われて上昇するということも起こります。
どんなに上昇力が強い時であっても、だれもが利益が欲しいのですから、
どこかで、ああ、もう早く売らなければ!と思う人もでてきます、する
と株価は下がり出します。
このように、需要と供給で、株価は上下するのですが、需要と供給が変
化するのは、いろいろな要素がからみ合っていて、単純ではありません。
大きなお金を使えば、合法的に株価を操作することも可能です。ですか
ら、株価を予想することは、非常に難しいのです。そして、この難しさ
が、多くの人を虜にする理由かもしれません。
================================================
当内容は、拙書「はじめての株式投資100問100答」からの抜粋記事です。
許可無く本内容の一部または全部を転載、流用及び複製を禁じます。
================================================